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戦争により連鎖される
トラウマを乗り越える方法:

問題が表面化してきた世代間トラウマと解決法の紹介ワークショップ

参加する


オンラインで行うワークショップです。二部構成で(1)戦争の影響を今も受け続ける可能性についての最新の知見を一般向けに(2)その影響を乗り越える方法、「ブレインスポッティング(BSP)」という実績ある心理療法を、専門家向けに、ご紹介します。

日程
2023年7月29日(土)
10:00〜11:00(前半部)
11:10〜12:40(後半部)

参加費
無料

定員
オンライン:95名(前半部、後半部共に)

申込締切
2023年7月28日(金)

本ワークショップ開催の意義

昨年2月から始まったロシアのウクライナ侵攻では、現在多くのウクライナ国民が、戦争という非人道的な行為に全てを奪われ、心に深い傷を負っています。戦争による心の傷(トラウマ)は、すでに終戦から78年目を迎える我が国も無縁ではありません。戦争によるトラウマが、世代を越えて親から子へと受け継がれるということが最新の研究から分かってきました。本ワークショップでは、戦争の影響を今も受け続ける可能性についての最新の知見を紹介します。そして1人でも多くの方が過去の苦しみから乗り越えられるよう、専門家にその解決法を広めることが本ワークショップの開催背景であります。

ブレインスポッティングとは?


ブレンスポッティング(BSP)は、脳と身体と関係性に根差した新しいサイコセラピーです。EMDRのエキスパートであったDavid Grand博士によって精神分析、ソマティックエクスペリエンス、そしてEMDR等の影響を受けて2003年に米国で開発されました。

視野上に「ブレインスポット」と呼ばれるトラウマと関連した目の位置を特定し、フォーカスして処理を行うBSPは「見る位置によって感じ方が変わる」というキャッチフレーズで言い表されます。

その素早く高い効果から、BSPは北米・南米・欧州・豪州を含め、瞬く間に世界に広がり、そして日本、インドネシア、フィリピン含むアジアにも広がりつつあります。現在、世界中で10000人以上の臨床家によって学ばれています。

ブレインスポッティングの特徴


BSPの特徴はその速さ・効果の大きさです。それは1)癒しの処理が起こる枠組みを作り出すための関係性の重視、2)視野の中にトラウマと関連のある目の位置を特定しフォーカスして処理を起こす神経生物学の活用、そして3)これらが全て自然に起こるための不確定性原理の実践から生まれます。

「何も推測しない」態度から、相談者との関係性の同調を経て「安心・安全」の空間を作り出し、そこにブレインスポットを特定することを含め、神経生物学的な同調をすることで、相談者の脳が集中的なトラウマ処理を起こす枠組み(フレーム)が生まれます。これは、プロトコルに沿うのではなく「全ては不確定である」という態度を受け入れ「今この瞬間」に沿っていくことで実現します。

ブレインスポッティングの理論

BSPは神経生物学的な仮説に基づいています。ブレインスポットにアクセスすることで皮質下の活性化、また同時に身体と感情体験を抑制する無顆粒層を含む新皮質の活性化が起こることで、問題にフォーカスした高い活性化状態において身体の抑制機能を働かせ「終わっていなかったトラウマ反応を完了」させ、トラウマの影響を取り除きます。

無限大の神経の結合が人間には存在するという事実から「癒しの本質は来談者の脳にある」と仮定し、それを唯一の癒しの拠り所として信頼します。セラピストが先に立って導くのではなく、むしろ、尾が頭に必ずついていく「彗星の尾」のようになって、徹底的に来談者の処理に寄り添っていきます。それにより、来談者が生存するための本来の力を引き出し、問題の解決へと誘います。

ブレインスポッティングのエビデンス

BSPの臨床試験は始まったばかりで、十分な数のエビデンスはまだありません。ドイツでBSPの予備調査が公刊され、また数年内にスペインで、BSPの比較調査の公刊が決まっています。2つの調査はBSPが高く効果のある方法であることを示しています。

また一般にすでに公開されている根拠として、2012年に起きたアメリカ銃乱射事件の被害者ケアに関する調査結果が公開されています。乱射事件が起きたサンディ・フックのコミュニティーを対象に調査が行われた結果、BSPはソマティックエクスペリエンシング(SE)やEMDRと同様かそれ以上に効果があると感じられたということが報告されました。

始まったばかりのこれらの研究や調査から、BSPは今後十分なエビデンスを積み重ねていく潜在的可能性があると言えるでしょう。

ブレインスポッティングの様々な応用

医師向け10分BSP “ドクター・スポッティング”

BSPには様々な状況で柔軟に用いられることが期待されますが、とりわけ短時間で患者と会う医師が活用する技術も開発されつつあります。最近のパイロット研究では、構造化された10分間のBSPセッション3回の提供含むプログラムに参加することで、最大20%もの全般的症状の軽減、また取り扱ったトラウマ的事象そのものや、事象のいくつかの側面においてプロセスが完了したことが確認され、また有意に軽減が生じたことが確認されました(鈴木, 2023)。今後のさらなる検証は必須ですが、日本の医療システムにも適応した活用の有望な可能性が示唆されたと言えましょう。

患者が実践できるBSP “セルフ・スポッティング”

2022年11月に発売された “一点をぼーっと見るだけ! 脳からトラウマを消す技術“(講談社)に紹介されているように、BSPは援助者が介入できないセッション間の取り組みを提供してくれます。患者・クライアント自身が援助者の介入なしに実践できるよう、安全かつシンプルなBSPは、その効果もパイロット研究で認められています(鈴木, 2021)。

ブレインスポッティングに関するQ&A

  • Q:BSPの対象疾患はどういったものでしょうか?

    A:Phase1トレーニングで習得する3つの方法と態度の深い理解があれば、たいていの状態の相談者に使用することが出来ますが、習熟度により異なります。DID(解離性同一性障害)等の重篤な状態に対しては、それなりの経験と理解度が不可欠になります。
  • Q:BSPは安全ですか?

    A:脳の自然な処理能力を拠り所にするので、侵襲性は高くはありません。一方で、その処理自体に反応する相談者に対しては、十分な心理教育が必要となります。

  • Q:BSPではどんなトレーニングを受けられますか?

    A:BSPの基本3技法を学ぶPhase1、更なる3つの方法と枠組みの調整について習得出来るPhase2、3つの高度な方法とパフォーマンス向上の技術が学べるPhase3、開発者David Grand博士が臨床で行う「フリースタイル」を学ぶマスター・クラス、そして参加者全員がセラピストとクライアントをDavid Grand博士の目の前で行い指導を受けるインテンシブ、の5つのトレーニングが提供されています。
  • Q:臨床心理士研修ポイントの対象になりますか?

    A:本トレーニングは、(公財)日本臨床心理士資格認定協会の研修ポイントの対象となるように申請予定です。しかし、システム上、ポイントが認められるかどうかは、研修終了後に決定します。よって、現時点では、認められることが確定しているわけでないことをご了承ください。

    研修ポイントご希望の方は、研修当日、会場受付のリストに、臨床心理士登録番号を必ずご記入ください。確定した場合、後日メールにてお知らせいたします。ポイントが認められた場合、後日、皆様が日本臨床心理士資格認定協会に提出されるポイント申請書類に、当トレーニング終了後にお渡しする受講証明書を添付してください。

  • Q:オンラインでの参加はどのようにすれば良いですか?

    A:オンラインでの参加は ZOOM というプログラムを使用します。予めダウンロード(無料)/インストールして頂ければ、インターネット接続の環境下で、パソコンやモバイルにて受講することが可能です。※トレーニングのプログラムに実習が含まれており、オンラインでの参加の場合、ビデオとマイクの使用が必須になります。
  • Q:BSPの対象疾患はどういったものでしょうか?

    A:Phase1トレーニングで習得する3つの方法と態度の深い理解があれば、たいていの状態の相談者に使用することが出来ますが、習熟度により異なります。DID(解離性同一性障害)等の重篤な状態に対しては、それなりの経験と理解度が不可欠になります。

本ワークショップについて


本ワークショップは、以下の二部構成で行われます。
  1. 戦争の影響を今も受け続ける可能性についての最新の知見を一般向けにご紹介
  2. その影響を乗り越える方法、「ブレインスポッティング(BSP)」という実績ある心理療法を、専門家向けにご紹介
本ワークショップで紹介されるブレインスポッティング(BSP)は、2014年に日本で紹介され、25回の研修を経て600人以上の専門家を生み出しており、今年8月26・27日に過去の傷跡が残る広島、沖縄にて専門家向け研修会が開催されることが決定しています。

内容


世代間トラウマとブレインスポッティングの紹介ワークショップ
時間
10:00-11:00(前半部)11:10-12:40(後半部)
前半部
世代間トラウマについて(レクチャー);トラウマについて(レクチャー)
後半部
BSP紹介;デモンストレーション
前半部
世代間トラウマについて(レクチャー);トラウマについて(レクチャー)

講師

鈴木孝信 Ph.D.(カウンセラー教育学博士)
Takanobu SUZUKI


BSP開発者David Grand博士から直接指導を繰り返し受けている日本で唯一の国際BSPトレーナー。

Grand博士の片腕として、アジアにおけるBSPの普及を任されており、フィリピンにおける人道的活動としてのPhase1トレーニングも実施。精力的にBSP理論の発展にも関与。BSPのより深い理解のためにマインドフルネスの指導にもあたっている。定期的に勉強会を主催しセラピストのBSP理解促進、技術の向上のための活動を行っている。またBSPの個人コンサルテーションも実施。米国の大学で修士の学生にセラピーの基本であるカウンセリグを指導している。「ブレインスポッティング」(星和書店)共訳。「マインドフルネスのはじめ方」(金剛出版)翻訳。

公認心理師/杏林大学/ブレインスポッティング国際トレーナー

ブログ

戦争により連鎖されるトラウマを乗り越える方法:問題が表面化してきた世代間トラウマと解決法の紹介ワークショップ

実施日
2023年7月29日(土)

時間
  • 10:00~11:00(前半部)
  • 11:10~12:40(後半部)
会場
  • オンライン(バーチャル会場)
参加費
  • 無料
参加条件
  • 前半部(世代間トラウマについて):一般の方もご参加いただけます
  • 後半部(BSP紹介):医師、あるいは公認心理師(臨床心理士)
定員
  • 95名(前半部、後半部共に)
主催
Brainspotting Training Institute Japan(BTI-J)
申込方法
オンライン
公式サイト
btij.org
会場
  • オンライン(バーチャル会場)
オンラインでのトレーニング参加について
参加には ZOOM(無料)プログラム、ビデオ、マイクが必要です